練習試合や公式大会等で、試合内容が完全に負けていながら試合結果として勝に終わることがある。終始押されてボールの支配率は圧倒的に相手チーム、さらにシュートの本数も圧倒的に負けている。が、試合には勝ってしまった。まさに勝ってしまったのである。こんな場合、3回やれば絶対に勝てない相手だ。

昨日やった相手との試合は、6対4で負けていた。まさに試合では勝ったが、内容では負けていた。冷静に判断すれば、反省しかない。しかし、内容が負けていても勝ってしまうと悪かった部分が消え単純に喜んでいる指導者がいる。私がよく勝っても怒ってばかりいるときがある。それは、勝っても悪い部分が忘れないからである。この試合に関しては、勝つには勝ったが、なにひとつ褒めれない試合である。

こんな勝ち方では、当然先には繋がらない。こんなことはバカでもわかる。勝てば官軍ではない。先に繋がる勝ち方をしなければ大事な本番で必ずと言っていいほど負ける。どんな試合内容であろうが、試合に勝って喜ぶのは、過保護な母親だけでいい。

経験の浅い指導者ほど勝つと強いと勘違いしてしまう。勝つと、このやり方で良かったと思えてしまう。どうしても勝つと優越感に浸ってしまう。若い指導者に限らず年配の指導者でも同様だ。特に名のある強豪チームに勝つとなおさらである。

私とて若いころは、FC浦和、清水FCに勝った時点で、日本一強くしたぞと思ったものだ。試合内容は、完敗だったが。当然、もう一度対戦するとボロ負けだった。

ただ、内容は負けていても結果、勝つと自信になることはたしかだ。特に名のある強豪チームに、運やラッキーシュートが入って勝ったとしても自信にはなる。特に相手が運悪く外すシュートが多くても守り切ったDF、GKにはいい自信になる。これは褒めるに値する。

勝負は、勝って反省、負けて反省、これでなければ成長はない。